犬の乳腺にしこりが…これって腫瘍?犬の乳腺腫瘍の原因と早めに知っておきたいこと

愛犬の乳腺(おっぱい)にしこりや違和感があるときは、「すぐに受診をするべきなのかな?」「腫瘍(がん)だったらどうしよう…」と、不安や疑問があることと思います。
多くが悪性病変である猫と異なり、犬の乳腺腫瘍は良性が約50%、悪性が約50%とされ、また悪性のうち転移を生じるものはその中の半数程度とされており、多くの症例で適切な治療により比較的良好な予後が期待できます。

この記事では、犬の乳腺腫瘍を見つけたときに、どういった流れで検査や診断をしていくのか?また、乳腺腫瘍の見た目での判断や治療法などをご紹介しています。
犬の乳腺腫瘍に対するよくある質問にも回答していますので、ぜひご参考になさってください。

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1. 犬の乳腺腫瘍 検査と診断

犬の乳腺腫瘍は、最も発生頻度の高い腫瘍の一つです。

通常、飼い主様が乳腺のしこりに気づいて来院するか、日常的な受診や健康診断などの際に発見されるため、他の腫瘍と比較して、早期発見・早期治療が可能な場合が多いです。

犬の乳腺にしこりがあった場合、実際に動物病院ではどのように検査や診断をしていくのか?その一例を以下でご紹介いたします。

1.1 問診

腫瘍全体に言えることですが、犬の乳腺腫瘍は中高齢での発生が多いです。

良性腫瘍は10歳齢、悪性腫瘍は12歳齢頃で多く、悪性腫瘍の方が高齢で発生する傾向にあります。

データによって異なりますが、避妊されてない犬において乳腺腫瘍の発生率は高い傾向ですが、良性腫瘍と悪性腫瘍の割合を比較すると、避妊済みの犬の方が良性腫瘍が少ないため、悪性腫瘍の発生率が高い傾向にあります。

乳腺腫瘍は、そのほとんどが雌犬で生じますが、雄犬でもまれに発生があるため、性別だけで乳腺腫瘍を除外することはできません。

食欲や元気さなどの一般状態、避妊手術の有無やその時期、乳腺腫瘍の過去の治療歴や妊娠・出産の有無、腫瘤を発見した時期や腫瘤の大きさの経時的な変化などについての問診も大切です。
(※腫瘤とは体や臓器にできるかたまりのことを言います。腫瘍は腫瘤の一種で、細胞が本来のルールとは異なり、過剰に増殖してできるかたまりのことを言います。)

また、乳腺腫瘍には、発赤・硬化・疼痛など強い炎症に似た症状を示す炎症性乳がんというものもあり、極めて進行が早く活動性の低下、食欲の減退、疼痛が認められます。
炎症性乳がんだけは手術が不適応となり、鎮痛などの対症療法が適応となります。

1.2 身体検査

乳腺腫瘤の大きさはさまざまであり、単発もしくは多発性に認められます。
左右の乳腺を詳細に視診・触診し、硬さや固着具合、炎症の有無などの評価をします。

多くの乳腺腫瘤は可動性で境界が明瞭ですが、正常な乳腺組織との境界が不明瞭で、乳腺が広範囲に腫脹して硬結している場合には、炎症性乳がんを疑います。

乳腺部には、乳腺腫瘍以外にもほかの腫瘍が発生する場合や、ヘルニア(臍、鼠径、腹壁)、乳腺炎などの腫瘍ではない疾患のこともあるため、様々な検査と組み合わせて鑑別を行います。

続いて、体表リンパ節を含めた全身の触診を実施します。

頭側乳腺領域(第1~3乳腺)は腋窩および副腋窩リンパ節、尾側乳腺領域(第3~5乳腺)は鼠径リンパ節が主な所属リンパ節となります。
(※体表リンパ節とは、通常の身体検査で触知可能なリンパ節のことを言います。所属リンパ節とは、がんが発生した臓器(この場合、乳腺)から直結しているリンパ管からできているリンパ節の集まりのことで、簡単に言うと当該乳腺の周囲を囲んでいるリンパ節のことを言います。)

尾側乳腺に腫瘤が認められた場合には、腰下リンパ節に転移する可能性もあるため、直腸検査や超音波検査を行うこともあります。

ただ、犬の乳腺組織においては、血管及びリンパ管ともに個体差が大きく、その走行は複雑であることが知られています。

正常の個体においても左右の乳腺をまたぐ形でのリンパ管の存在も報告されていることから、とくに大型の乳腺腫瘍がある場合には、腫瘍から離れた部位のリンパ節についても、転移の有無について評価をする必要があります。

1.3 血液検査

一般状態を把握するために血液検査を実施します。

乳腺の腫瘤を主訴として来院する症例のほとんどは中高齢であるため、基礎疾患(クッシング症候群や糖尿病、甲状腺機能低下症など)の有無を確認すること、また外科的な摘出の実施が可能な全身状態であるかを評価することはとても大切です。

腫瘍随伴症候群(しゅようずいはんしょうこうぐん:腫瘍またはその転移巣による直接的な症状ではなく、腫瘍が産生する物質によって生じる間接的な症状のこと)として高カルシウム血症が認められることもあります。

腫瘤の自壊によって感染の兆候がある、進行した転移が疑われる、炎症性乳がんが疑われる場合などは、凝固障害を呈している可能性もあるため、凝固系の検査も実施します。

1.4 画像検査

転移をおこしやすい所属リンパ節や肺を含め、あらゆる臓器に転移を起こす可能性があるため、各種画像検査を実施します。

必ず胸部レントゲンを撮影して、肺への転移の有無の確認を行います。

また、心疾患の有無の評価も必要です。

CT検査はできる施設が限られること、麻酔を必要とすることなどの制約がありますが、原発腫瘤の浸潤やリンパ節の腫大、遠隔転移の有無の評価に関してはレントゲン検査よりも感度が高く、可能であれば行いたい検査です。

1.5 細胞診

細胞診(FNA)は採取できる細胞数に限りがあること、また、診断ができる細胞が採取できるとは限らないため、診断意義は少ないと言われています。
確定診断には病理組織検査が必要となります。

ただ、皮膚・皮下に発生する他の腫瘍の脂肪腫、肥満細胞腫、軟部組織肉腫とは手術をする際のマージン(腫瘍からの正常組織の「余白」の部分)が異なるため、乳腺腫瘍と他の腫瘍を鑑別するために重要な検査となります。

1.6 ステージ分類(病期判定)

乳腺腫瘍のステージ分類(病期判定)は飼い主様とのインフォームドコンセントと、治療方針の決定にかかせないものです。

犬の乳腺腫瘍においてはWHOステージ分類が用いられ、原発腫瘍の大きさや所属リンパ節への転移、遠隔転移をあわせて分類します。

犬の乳腺腫瘍のTNM分類(WHO準拠)

T(Tumor:腫瘍の大きさ)

  • ・T1:腫瘍径≦3cm
  • ・T2:腫瘍径>3cm~≦5cm
  • ・T3:腫瘍径>5cm

N(Node:リンパ節転移)

  • ・N0:所属リンパ節転移なし
  • ・N1:所属リンパ節転移あり(腋窩・鼠径など)

M(Metastasis:遠隔転移)

  • ・M0:遠隔転移なし
  • ・M1:遠隔転移あり(肺・肝臓・骨など)

臨床病期(ステージ分類)

ステージ 分類
ステージⅠ T1,N0,M0(小さく転移なし)
ステージⅡ T2,N0,M0(中等大・転移なし)
ステージⅢ T3,N0,M0(大型・転移なし)
ステージⅣ いずれかのT,N1,M0(局所リンパ節転移あり)
ステージⅤ いずれかのT/N,M1(遠隔転移あり)

ステージⅢまでは原発病巣の大きさによって区分され、所属リンパ節への浸潤はなく、遠隔転移の証拠もありません。
ステージⅠは原発病巣が3cm未満、ステージⅡは原発病巣が3~5cm、ステージⅢは原発病巣が5cmを超える腫瘍となります。
ステージⅣは所属リンパ節への転移が存在し、遠隔転移は検出されません。
ステージⅤは所属リンパ節への転移とあわせて、遠隔転移も存在します。
原発病巣が3cmを超すと悪性比率が高くなり、予後が明らかに悪くなる傾向を示します。

その他の予後因子はリンパ節転移の有無、脈管内浸潤の有無、臨床ステージ(進行したものほど悪い)、病理組織学的タイプなどです。
ステージⅣまでであれば、外科手術により完治も見込めますが、ステージⅤでは残念ながら手術不適応となり、緩和ケアが治療の主となります。

炎症性乳がんの場合には、数週間~1カ月以内となり、こちらも緩和ケアがメインの治療となります。

2. 犬の乳腺腫瘍の特徴

乳腺腫瘍の大きさは極めて重要な予後因子となります。
つまり、犬の乳腺腫瘍の大きさは、悪性度および切除後の生存期間と密接な関連があります。
上記で述べた通り、3cmを境界に悪性比率が高くなり、予後が明らかに悪くなる傾向があります。

大きさ以外の悪性の所見としては、腹壁に固着して可動性があるかどうか、動かない場合や、潰瘍が認められるもの、複数の乳腺にまたがって板状に硬く連なるように触知されるものなどは、悪性度が極めて高いです。

一般的に、良性の腫瘍は、皮下に硬い小結節として触知され、皮膚や体壁との固着は認められません。

炎症性乳がんでは、腫瘤周囲の皮膚の発赤、板状硬化、熱感や疼痛を伴う広範囲な粟粒性結節(ぞくりゅうせいけっせつ:粟(あわ)のように非常に小さな粒状のしこりのこと)などの特徴的な所見が認められます。

犬の乳腺は、胸部から鼠径部にかけて、体幹の腹側面に2列に並んでいます。

左右に5対(合計10個)の乳頭を持つことが一般的であり、胸部に2対、腹部に2対、鼠径部に1対存在します。

また、必ず左右対称に並んでいるわけではありません。

乳腺腫瘍は、乳腺組織の多い第4~5乳腺に多く発生し、6割以上の症例で多発して、良性と悪性が混合することも少なくありません。

雄犬の乳腺の数は、ほぼ雌犬と同じですが、小さな乳頭を認めるのみで、乳房を確認することは困難です。
ただ、先にも述べた通り、まれに雄犬でも乳腺腫瘍を生じることがあります。

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3. 犬の乳腺腫瘍 治療方法

日本においては、小型犬の飼育頭数が多いことから、症状のない小結節で細胞診検査において明らかな悪性所見がないものであれば、増大傾向に注意して定期的な経過観察を実施するということも方法の一つとなります。

ただ、確定診断には組織検査が必須となること、良性のモノでも時間をかけて悪性に変化することがあること、小さい腫瘤ほど治癒率が高くなることから、遠隔転移がある症例を除いては、やはり積極的に外科的に対応することが望まれます。

根治を期待する根治的切除から、すでに転移をしている症例では緩和的な切除を行うなど、手術の目的は症例それぞれによって異なります。

術式については、その手術の目的によって選択されますが、明確なガイドラインはなく、犬では十分な切除マージン(腫瘍を切除する際、取り残しを防ぐために切除される周囲の正常組織のこと)を確保して腫瘤が切除されていれば、術式の違いによる生存期間の差は認められないという報告は多いです。

多くの乳腺を同時に切除すれば、再発率は下げられるものの侵襲性が高くなり、それとは対照的に残る乳腺が多くなれば、再発による再手術が必要になる可能性があります。

そのため、主治医の先生と十分な話し合いを行うようにしましょう。
以下では、主な乳腺腫瘍の摘出術について記載しています。

3.1 乳腺腫瘍の切除生検

腫瘤のみの切除術や単一乳腺切除術は、腫瘤が比較的小さい場合や切除生検を目的とする場合に適応となります。
(※生検とは、病変の一部を採り、顕微鏡で詳しく調べる検査のことです。)

3.2 領域乳腺切除術

腫瘤が発生した乳腺を含む頭側(第1~3乳腺)または、尾側(第3~5乳腺)の乳腺鎖、つまり複数の乳腺を切除します。

乳腺鎖の中に複数の腫瘤が認められる、あるいは乳腺間に腫瘤が認められる場合が適応となります。

ただし、第3乳頭部付近に腫瘤が認められる場合には、片側乳腺全切除術が適応となります。

3.3 片側乳腺全切除術

左または右の乳腺全域を切除する術式です。

片側乳腺に腫瘤が多発した場合や、第3乳頭部付近に腫瘤が認められた場合に適応となります。

乳腺組織の削減により、同側の腫瘤再発の予防効果は高くなります。

3.4 両側乳腺全切除術

両側の乳腺に腫瘤が多発して認められる場合に、両側乳腺全域を切除します。
乳腺組織削減により、腫瘤再発の予防効果は最大となります。

ただ、両側同時に乳腺全切除を実施した場合、皮膚の欠損領域は極めて大きくなり、閉創に苦労することも少なくありません。

また、頭側乳腺領域の切除では、皮膚欠損により胸部に負担がかかり、呼吸に負荷がかかることもあります。

犬では皮膚の伸縮性が、猫より劣るため両側切開はあまりおすすめしません。

左右に存在する場合は、1ヶ月あけて片側ずつの切除をお勧めします。

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4. 費用の目安と通院期間

費用や通院期間は、乳腺腫瘍の状態や手術の切除範囲などによって異なります。

また、獣医療は自由診療であるため、費用は動物病院ごとに大きく異なります。

そのため、一概にどの程度かかるか?を表現することは難しいですが、一般的な乳腺腫瘍の検査から手術、退院までの費用は、手術の術式・基礎疾患の有無などにより異なりますが大体20~30万程度と考えていただけるといいでしょう。

詳しくは主治医の先生にご確認ください。

5. よくある質問

5.1 高齢だけど麻酔は大丈夫?

多くの腫瘍は、高齢で発生します。
そのため、麻酔をかけることは、必然的に高齢の犬で多くなります。

通常、術前検査を行い、麻酔をかけられると判断された場合には、全身麻酔をかけて手術を行います。
ただし、100%安全な麻酔はありません。

腫瘍が悪化してしまうリスクか、麻酔をかけて手術をするべきか、主治医の先生とよくご相談ください。

5.2 避妊手術を受けると、乳腺腫瘍にならないの?

若い時期に手術を受けると、乳腺腫瘍を生じる可能性は極めて低くなります。

犬においては、初回発情前に避妊手術を受けることで、99.5%の割合で乳腺腫瘍のリスクが減少することが知られています。

発情開始後でもその発生率の低下には大きく関与します(1回目の発情周期後には92%、2回目の発情周期後には74%の割合でリスクが減少)が、3回目以降の避妊手術では、ホルモン反応性に発生するものを除き、予防効果はないと言われています。

5.3 良性腫瘍なら放置をしていてもいいの?

良性腫瘍の場合でも、時間経過とともに悪性腫瘍へ転化を起こすこともあります。

以前から存在する腫瘍が急速に増大してきた場合には、悪性転化を疑います。

そのため、長時間無治療で放置することは推奨されず、定期的なチェックが必要となります。

5.4 乳腺の摘出手術と同時に避妊手術を行うべきか?

報告によっては卵巣子宮摘出術を同時に行っても、切除後の再発率や予後に有利な効果はないとされています。

ただ、高齢になっても避妊手術が乳腺腫瘍の発生を抑制できるとの報告もあるため、未避妊の雌犬であれば、乳腺切除術と同時に卵巣子宮摘出術を実施する場合も多いです。

その他にも中高齢の未避妊雌で効率に発症することが多い卵巣子宮疾患を未然に防ぐことができる、または切除することができるので、メリットが高いと言われています

5.5 外科的な摘出以外に治療法はないのか?

乳腺腫瘍の治療の第一は外科的な切除ですが、化学療法を行う場合もあります。

ただ、犬の乳腺腫瘍に対する有効な化学療法はありません。

予後不良因子(腫瘍のサイズやリンパ節の転移、ステージや組織学的に高グレードと分類された場合など)を有する症例における術後の予後の改善や、炎症性乳がん症例の症状の緩和のために行う場合があります。

5.6 治療したら再発はしないのか?

腫瘍を切除後、数ヶ月から数年後に64%で新しい乳腺腫瘍が発生したという報告があります。また乳腺腫瘍切除と同時に避妊手術を行った場合は、36%で発生したという報告があります

6.当院の症例

6.1 症例1

15歳トイプードルで、おっぱいのシコリを主訴に来院されました。
左の第5乳腺部分に、3cm大のシコリがあり、問診ではずっと小さいしこりはあったが、ここ一ヶ月で急に大きくなりだしたとのことです。

細胞診検査を行ったところ、乳腺腫瘍が第一に疑われたため手術をご提案させていただきました。飼い主様は高齢な点を心配されていたため、麻酔前の全身の検査と、他部位への転移の確認を行い、問題がないことを確認の上で左側乳腺片側全摘出手術を行いました。また、今後のために同時に避妊手術も実施しました。

手術は持病がないとはいえ高齢のワンちゃんなので、術後の負担を減らすため医療用の麻薬を用いたマルチモーダル鎮痛を施しました。鎮痛剤をしっかり適正に使用することで全身麻酔の量を減らすことができ、安全性が高まります。また、術後の痛みは合併症の発生を増やしますので、注意が必要です。
幸いなことに術中・術後の大きな痛みを感じることはなく、1泊2日の入院で歩いて退院していきました。

14日後に抜糸を行い、病理検査でも完全切除であり、同時に切除した鼠経リンパ節に転移もなかったため、治療を終了としました。
高齢であっても、より慎重な麻酔を行うことで手術は可能です。
年齢を理由に手術をあきらめないでいただきたいと思います。

6.2 症例2

9歳のミックス犬で、避妊手術済です。
胸のしこりが急に大きくなったとのことで来院されました。
場所は第2乳腺横で、2cm大でした。

乳腺腫瘍を疑い細胞診検査を行いましたが、乳腺腫瘍を疑う細胞は少なく、別の悪性腫瘍を疑う細胞が多く採取されました。そのため、本格的な手術の前に小さな組織を採取し、病理検査を行いました。結果は軟部組織肉腫で、乳腺腫瘍とは別の悪性腫瘍でした。

麻酔前の全身の検査と他部位への転移の確認を行い、第1・2・3乳腺を含む周囲3cmと底部筋膜1枚を含む拡大切除を行いました。病理検査は軟部組織肉腫グレード2で完全切除でした。14日後に全て抜糸し、治療終了としました。

乳腺部分には他の腫瘍ができることも多々あり、その時に重要なことは乳腺腫瘍と他の腫瘍は切除の範囲が異なることです。
今回は乳腺腫瘍と決めつけて手術を行っていれば、おそらく切除範囲不足となり再発や転移を起こしていたかもしれません。
術前検査の重要性を再確認した症例でした。

7.まとめ

犬の乳腺腫瘍は、病期によっては完治が期待できる病気です。
そして、乳腺という、いつも見たり、触ったりできる部位にできる病気でもあります。
改めて愛犬とよくスキンシップをとり、なにかできものがある、赤みがある…など、気になることがありましたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

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